RPGの主人公になってみた結果

世界一周6月18日スタート

ゲストハウスで働き始めて1週間が経ったのだが、実際お前なんの仕事何してるの?

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現在働くモロッコの宿の女将さんの手料理はそいつはもう最高で、旅人達の舌を唸らせる、その噂を聞きつけこの宿に足を運ぶ旅人も少なくない。

しかし現在、女将さんが1週間ほど旅行で留守である。そして気がつけば、宿の厨房は女将さんの手料理に舌鼓をうてない旅人の涙で水没していた。

そこで女将さんの抜けた穴を埋めるために、水没した厨房を掃除するために、厨房に立ち上がった男がいた。何を隠そうこの私である。


え?料理できるの?と疑問が出た読者の口には熱々の自作オムレツを今すぐぶち込んでやりたいところだが、僕は夕飯の仕込みで多忙だ。今日のところは見逃してやろう。

厨房で働いていた頃の経験上、基本的に調理師という職人の世界は縦社会である。最初の数年は、料理を"つくる"作業には触れることが許されず、皿洗い、仕込みなどの雑用が中心である。(ちなみに職人さんは怖い。10人職人さんがいたら8人はチンピラじゃないかと目を疑う。そして残りの2人はチンピラである。)

しかし、この宿ではお客様に振る舞う料理を一から盛り付けまで自分の手で行い、メニューまで考えさせてもらい、食材の発注まで担当させて頂ける。料理をつくるものとして何よりもの喜びである。おいしいと言って下さるお客様の笑顔とためならどんな面倒臭い調理過程も苦ではない。

ここにきてまだ本当に僕が料理をできるのかという愚問を投げかける読者の口には熱々のだし巻き卵を流し込んでやりたいが、僕はこれから献立を考えるため多忙だ。見逃してやろう。

行き場のない僕を拾って頂いただけでなく、これほど良い経験と機会を与えてくれたこの宿には感謝しかない。誠意を持って恩返しがしたい。普段、唾と愚痴しか吐かないこの男の口からこんな綺麗な言葉が飛び出るとは。人とは成長する生き物である。

時折僕がこの手の血の通った聖人発言すると、お前でもそんなこと言うんだwwwと茶化してくる友人達がいる。気がつけば僕は奴らに気絶するまで目玉焼きを食わせていた。

RPGは終わらない。

それでは。