実在!?おとぎの国ブルガリア編
拝啓、お父様お母様へ
息子は今イスタンブールからアテネへ向かう途中にありましたブルガリアに呼ばれている気がして、途中下車しました。
このブルガリアという国
口にしたところ美味しいのか美味しくないのか非常に微妙なラインのヨーグルトだけが有名で、いささか何をすれば良いのか、どこへ行けば良いのかもわからず、全然呼ばれてねーわ。アレだわ。空耳だったわ。と、さっさとアテネに向かおうとした矢先
再び風邪を引いてしまい、数日ブルガリアのソフィアという町に留まることになりました。武道の師範の父と、鉄の料理人の母の間に授かった男子とは思えぬほどの貧弱で何と言って良いものか頭を抱えております。
風邪を引いて観光どころではなく、ゲストハウスに引きこもってい何もしないのもなんなので、久しぶりに絵を描きました。
決して大観衆から君!天才!入賞!と言って頂けるような技術も個性もない絵ですが、僕は昔から絵を描くのが好きな子供だったのを今でも覚えています。
しかし、おませさんだった僕は中高生ながら、好きってだけで飯を食っていくなんてきっと無理だから、4年制大学に行って、ちゃんと資格を取って学士になろう。と思い、絵に興味は持ちながらも決してそれを自分の道に選ぶことはありませんでした
浅すぎて語るに値しないことが色々ありまして、思いっきり道からジャンピングコースアウトすることになり、オーストラリアにいた頃
僕は一人の絵描きさんに会いました。
日本人の女性で、その人は通信制の学校で絵を勉強してオーストラリアの道端で絵を描いて売っていた人でした。
この人、かっこいいな。と思いました。
女の人をカッコいいと思ったのは生まれて初めてでした。
同時に好きなことを選ぶ勇気のなかった自分を恥ずかしく思いました。道から外れてるのはどっちだよと。
絵を描いてる人がカッコいいのか、好きなことで生きている人がカッコいいのかはよくわかりませんが
とにかくその人のような存在近付きたいと、筆を握る決意をした半年前
その決意、今日の今日まで思いっきり忘れてました。お父様お母様、あなた方の息子は頭も貧弱でした。
しかし、その絵描きさんに出逢ったのがエピローグ1だとしたら
今回特にただでさえやることのないブルガリアで風邪を引いてしまい、偶然にも絵を描く機会に恵まれたのはエピローグ2なのではないか、そんな予感がプンプンしてます。
未来はキミシダイ。ロックにいこうぜ。
ということが言いたいわけです。
ブルガリアで本当に何もしてなさ過ぎて、これが最初で最後のブルガリアの記事になるかもしれませんので
ブルガリアがどうゆうところか簡単に。
同じことを何回も言うのは好きでありませんが
この国本当に何もないんです。
例えば、せめて1つくらいはどっか見てみようとソフィアから数時間離れたおとぎの国とネットに書いてあったリラ国立公園にバスを乗り継いで行った帰り
田舎過ぎて、日のまだ高い時間に帰りのバスすらなくて
おとぎの国から現実へ、人生初の海外ヒッチハイクで帰る羽目になりました。
僕のようなトラブルメイカー系バックパッカーは絶対に海外でヒッチハイクなんてしてはいけないと十分承知していましたが、苦渋の決断でした。
リラ国立公園も
うん!山だな!おとぎだな!
って感じでした。
何もありゃしねぇ。
でもそれが良い。
僕は観光スポットが沢山ある国を大正義だなんて、思っておらず
何もないけど、ヒッチハイクで乗せてくれるくらい優しい人もいて、でも町に戻ってくるとアジアからの外国人観光客なんて珍しいのか、人との距離感が妙にあって、英語も全然通じなくて、でもその冷めた感じも心地良かったりして
地味にこの国は好きです。
なんだかこの国に偶然が重なって数日いれたのは悪くなかった。
ありがとうブルガリア
二度とは来ないけどな
それでは。