RPGの主人公になってみた結果

世界一周6月18日スタート

この旅最大の危機を大道芸で乗り切った嘘みたいな本当の話

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ロッコ最西端の港町、エッサウィラ

ポルトガルの侵略があった過去を持つ、ここは本当にアフリカなのか?というほど映える青と白の街並み

1週間、安宿のベッドに仰向けになって天井の模様を眺め続けた僕の目には、とても綺麗に見えました。






その日で旅に出て4ヶ月

4ヶ月間、西へ西へと目指してきて

ようやくぶち当たったユーラシアの果て、大西洋


確かに夕日なんてどこで見ても同じに見えます

しかし、今ここで見ている夕日は僕の目には少し違って見えるのです。不思議です。違いますこれは涙ではありませんカモメです。

今日も僕の旅は順風満帆

かに見えた。

しかしこの後、4ヶ月間で最大のアクシデントが僕の心臓と脳味噌と全米を震撼させることを、この時まだ知らない。

お腹が空いたが、現金も底をつきそうなのでATMに寄る

現金の代わりに僕の目の前に出てきたのは、以下のセンテンスだった。

"このクレジットカードは無効です"

唾と鼻水が同時に吹き出た気がした。

クレジットカードが突然止まっていた。

所持金は日本円にして500円ほどしか持ち合わせていない。

本日の宿代すらない。

とりあえず宿に戻り、宿主に事情を発明するも

宿を出るときはニコニコして"いってらっしゃい"と声をかけたくれた優しい宿主の姿はもうそこにはなく、血相変えて鬼の形相で怒鳴り散らす

もうチェックインしてるんだから、何が何でも宿代は払ってもらうからな!!!だいたいお前らアジア人はなあ(以下略

30分近くだろうか。大人になってここまで怒られたのは初めてってくらい説教された。

とりあえず本日の宿代どうにかしなければ

気がまいっていた

清水寺くらい、まいっていた

こうゆう心が弱ってる時の僕はロクな発想な行動をとらない。

色々考えたが、もうコイツしかない。

大道芸で稼ぐしかない。

幸いにも、軽いノリで日本から持ってきてはいたのものの、なかなか使う機会も少なかった水彩絵の具セット。

これで路上で"あなたの似顔絵と漢字で名前かきます!"という誰でも思いつく個性のない内容の大道芸であった。

僕自身、絵にとても自信があるわけではない。高校時代、クラスでは地味に絵上手いキャラだった。身内では絵しりとりするとチヤホヤされるくらいのしょうもない男である

自信がないものにお金を頂くというのは気が引けて今までやらなかったが

完全に追い詰められていた僕は至って本気だった。

早速、人通りの多い所へ行き

拾った画用紙に

日本から来たサムライがあなたの
似顔絵と漢字で名前をかきます!
お代はあなた次第!

と道に置いて、人生初の大道芸開始




意外なことに

お金を置いていくかどうかは別にして

2時間近くやって10人くらいに話しかけられた

似顔絵どれくらい時間かかる?と聞かれ

30分から1時間と言ったら

あwwいや、名前だけでええわww

と言われたので、黒以外の絵の具は火を吹くことはなかったが

日本円にして600円くらい稼いだ

ロッコの物価でこれは悪くはない

持っていた僅かな残金と合わせて宿代と水代にはなった。

とりあえず初夜をしのいだ僕は、日本時間午前9時に三井住友の野郎に"鬼電"かけることに。繋がるまで電話かけ続けてやる。メンヘラ彼女になってやる。1分おきにダイアル回してやるからド畜生が




来たるべく日本時間午前9時

ロッコの時間は深夜1時

こうゆうメンタルが最大火力で焼き尽くされた日は、脳がキャパオーバーしてて眠いが、能天気に寝てる場合じゃねぇ。電話をかけないとプルルルル

割とすぐ繋がって、対応してもらってる間

てめぇうるせぇぞ!何時だと思ってやがる!ほかの客の迷惑だろうが!明日にしろ!明日に!

と宿主に怒鳴られる

仰る通りですスイマセン。でもこっちの時間の明日の朝まで待ってたら、日本の時間では営業時間終わっちゃうんです。外に出て電話かけてきます。

ああん?もう玄関は閉めてるんだよ!てめぇの勝手な理由で玄関開けられるか!

ああ、もうダメだ。なんせ自分に非がある分、何も言い返せやしねぇ。

こうゆう眠くて心が弱ってるときの僕は、本当にロクなことをしない。

泊まってる2階の自分の部屋に小さな窓がついていたのに気付いた

そこから脱出し外へ出て、電話をかける。寒いし怖いが、明日の宿代や飯代ないほうが怖かった。夜飯一食抜いただけで、この身体のだるさ。なんという燃費の悪さ。

無事に迅速に対応してして頂き、翌日の夜にはキャッシング可能になるということで

2階へよじ登り、再び窓から部屋に侵入。

心身ともに疲労困憊だったのと、宿主と顔を合わせないように翌日の夕方くらいまで泥のように眠りについた。

そして翌日の夕方に無事にATMからキャッシングできた

大西洋に沈む夕陽の比じゃないほどの感動をありがとう。

今になって思い返せば、いい思い出なのかもしれないが、これだけは言いたい。

もう二度と大道芸なんてしねぇ。

それでは。