VSぼったくりタクシーinハノイ
大人の面目と尊厳を無事に死守した僕は、ハロン湾からハノイの旧市街に帰ってきました。
一息着く間も無く、寝台列車の発車時刻が近づいていたのでハノイ駅に向かうことに。
具体的な移動方法は日本と同じくバスかタクシー。ただベトナムの交通機関は一律料金が設定されておらず、全部交渉制なんです。
バスは一回乗ると30円とかで圧倒的に安上がりですが、ドライバーや一般人は基本的に英語が話せる人が少なく、時間が無い上ネット環境もない僕には、バスを間違えて列車逃すリスクが高すぎるので却下。
旅行客をターゲットにしたぼったくりが多いベトナムでは極力タクシーは避けていたのですが仕方なくタクシーを探すことに。
前に読んだ記事でその時の地点から駅まで大体の相場の金額(約300円)を覚えていたので、それくらいを目安に、普段なら無視するであろう客引きしてくるタクシードライバーに駅までいくらかを聞いて回りました。
どのドライバーも相場の数倍の額を提示してくる。
もう時間がないから諦めて割高のタクシーに乗るしかないかと、諦めかけたその時
「兄弟!俺のに乗ってきな!7万ドン(350円で)で駅まで連れて行ってやるぜ!」
振り向くと僕と同い年くらいの青年が立ってました。
350円!?相場くらいだ!これにしよう!
あれ?車は?
「後ろに乗んな!」
とバイクタクシーを僕の目の前まで引っ張ってきました。大きい荷物もあるのにコレの後ろに乗るのかよ...でももうウダウダ言ってる場合じゃないとバイクの後ろに乗車
「よし行くぜ!兄弟!」
「待って!俺のメットは!?」
「350円しか払わんくせにメットなんてあるわけねぇだろ!ほら行くぞ!」
赤信号でも交差点に突撃し、左右から来る他の車やバイクをヒョイヒョイ縦横無尽に避け走るこの男
他のバイクもそんな感じで、気分はもう暴走族総長。
これは夢だこれは夢だと頭の中でリピートしながら乗ってましたが、ジェットコースターすら乗れない僕は怖がりすぎてドライバーにしがみつきながら、なんとか時間通りに着きました。
そしてお金を払おうとしたら
「おお!兄弟!そういえば7万ドンじゃなくて、20万ドン(1000円)の間違いだったわ!んじゃ早よ払わんかい!」
なんと彼もぼったくりタクシーの類でした
急にオラついてきたので、怖かったから別に1000円くらいとも思いましたが、実に不愉快。
さぁ、こうゆう時の選択肢は
①大人しくお金を払う
②7万て言ったじゃん!
②を選びました
折れない。しかし納得行かず僕も折れない。
徐々にこの露骨に人を騙そうとしてくるスタイルにさすがの僕も腹が立ってきました
選択肢は
①大人しくお金を払う
②7万て言ったじゃん!
③ブチぎれる
僕は基本的に誰にも怒らないし、温厚なのは僕と会ったことがある人ならご理解頂いているかと思います。
しかし今宵に限りましては③
力の限りブチぎれました
"死ぬ気"で◯◯するという言い回しがありますが
死ぬのは俺じゃない、貴様だ。
"殺す気"でブチぎれました。
駅にいた周りの人がざわつくくらいキレました。
日本人で背も低くく、舐められがちな僕が過去3年の海外生活の中で身を守る為にしなければならなかったこと、それはあえて強気でいることでした。
あまりの剣幕に相手も「えっ!?いや、あの...その」となっていたので
さっと7万ドン握らせ
じゃあな!!!
と駅の中に逃げ込み
追いかけてくるかなと振り返った瞬間にはもうバイクで逆方向に走り出した後だったので、ホッとしました。
そうだ、列車!!と
ようやく寝台列車に乗り込み
4人一部屋のキャビンなので、もう他に人がいるかなと恐る恐る部屋に入るとベトナム人の5人家族が。
あれ?4人部屋では。
子供はベッドなしで無料で乗れるらしく、僕入れて6人。
しかしこの家族がめちゃくちゃ良い人達で
お菓子やフルーツくれたり、ベトナム語でだけど積極的に話しかけたりしてくれて凄く優しくて、ぼったくりタクシーとの争いで荒んだ心は洗われました。
絵を描く道具を持ち歩いてるので、子供にさっとピカチュウ描いてあげたけど、手抜き過ぎてあまり喜んでなくて、子供はインスタのフォロワーさんと違ってシビアだなと思いました。
今はようやくホイアンに着きまして、明日のセネガル戦を一緒に観戦する日本人を今から血眼で探してきます。
それでは